「今日のデート? ここですよ(笑)」広場の向こうにある大きな窓が印象的なカフェで、ランチを楽しむ白人女性たちを見つめながら彼女は笑った。南北線の4番出口から、十番大通りを六本木ヒルズ方面へ。綱代通りを左へ折れて1分ほど歩くと、数軒のカフェと石畳の道に囲まれた小さな広場に出る。パティオ十番。今日の待ち合わせ場所であり、彼女いわく今日のデートスポット。「この木の下に座って、集まる人たちを眺めてると、幸せな気分になるんです」東京で生まれ育った人たちからは、自然体と言うべき、気負いのなさを感じることがある。彼女はその典型だ。生まれも育ちも港区・西麻布。ミッション系の大学に通う女子大生。プロフィールが持つセレブなイメージとは対照的に、階段に腰かけ、風に目を細めている彼女からは、田舎の少女のような素朴さを感じる。だからって、このデートは地味すぎない?「う~ん、やっぱり(笑)」彼女はにっこりとほほ笑んだ。デートのクライマックスとして彼女が用意したのは、昭和20年から続く町の洋食屋さん。広場から雑色通りを数分歩いたところにそれはあった。しかし……。「アレっ? 今日、お休みだっけ」子どものころから通う店の定休日を忘れているのも彼女らしかった。そのお詫びとして、こちらが希望したのは東京タワー見学。といっても、見学はタワーが見えるシティホテルで行なうのだが……。ホテルのソファに彼女を寝かせ、ブラをめくり上げて乳首を吸うと、彼女はそれまでのおっとりとした感じがウソだったかのように、激しく身悶えて、あっという間にイッた。その反応にうれしくなったボクは、窓から見えるタワーがイルミネーションに彩られるまで、彼女を責め続けた。
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