守りたい人の為、一人の少女が、大きな覚悟を決める・・・。地方出身の美園。都内の大学にへの進学が決まり上京、一人暮らしをすることに。頼れる親戚や友達もおらず途方に暮れていたところ、声をかけてきた同じ学部の少女。「自分も高校生の時寮生活を始め、同じような思いをしたから、見ていてほっとけなかった」と、いろいろ世話してくれた。二人が親友と呼べる仲になるのに、そう時間はかからなかった。同じ講義を受けたり、講義が終わったら街へ遊びに出かけたり、お互いバイトがない日は、一日のほとんどを一緒に過ごすほどになっていた。それだけの仲になっても、彼女はあることを頑なに拒み続けた。それは、彼女の家に行くこと。住所さえも教えてくれなかった。不可解に思い、ある日友人の後をこっそりつけてみる。その先で見た光景・・・ひっそりと佇むアパート。そこに並ぶ玄関中に、一際目立つものが一つ。周りの壁とともに、ひどいスプレーの落書きがしてあった。その玄関の前に、スーツを着た強面の男が一人。嫌な予感とともに美園の脳裏をふとよぎった最悪のビジョンが、数秒とかからないうちに現実となって眼前に現れる。男に近づいていく友人。男になにやら責め立てられ、土下座で謝る。割って入る勇気はなかった。足が動かなかった。男が立ち去った後、友人のもとへ駆け寄る美園。ずっと堪えていたのだろう、美園の顔を見るやぼろぼろ泣き出す友人。訳を聞いてみると、父親が株で失敗し、財産が底を尽きてしまった。にもかかわらず、両親は借金をしてまで、自分を大学に入れてくれた。だからアルバイトをして、借金を少しずつ返している、と。夜も休まずバイトで金を稼いでいるのだろう。よくみれば友人の目の下にはくまが出来ていた。普段何事もないように明るく振る舞っていたため、全く気付かなかった。美園は絶望した。なぜもっと早く気づいてあげられなかったのか。そして決意した。こんな苦しい状況にもかかわらず、自分を助け、気遣ってくれた友人。今度は自分が助け、守ってあげる番である、と・・・。借金の返済を手伝うべく、美園は短期間で高額稼げる仕事を探す。選んだのはAVの撮影。決して楽な仕事ではなかったが、友人のためならその身体誰に、いくらでも捧げたって苦にはならなかった。一人の少女が背負うには重すぎる荷。しかし彼女は背負うことをやめない。友が、真に笑って過ごせる日を手に入れるまで・・・。